QTの異常値について
前回の記事より
QTcの測り方と目的(QT間隔) - くず看護師 勉強BLOG
先輩「あらくずさん、QTcの計算をしているのね」
くず「はい!だって先生が値を出せって言ったので」
先輩「なぜその行動が必要なのか根拠を考えなさい‼どうしてQTcの値が必要なの?」
くず「...」
私はこんな看護師ですm(__)m
では今回はQTの異常について勉強しましょう
①QT延長について
QT時間が延長していることを「QT延長症候群」と呼びます。
QT延長症候群は心筋細胞の電気的な回復(脱分極・再分極)が延長することによっておこる病気のことをいいます。
QT延長症候群は先天性と後天性に分かれます
1.QT延長(0.44秒以上)で考えられる要因
病態
・電解質異常(低K血症、低Ca血症、低Mg血症)
・徐脈(房室ブロック、洞不全症候群((ジギタリス中毒) )
・うっ血性心不全
・中枢神経系疾患(くも膜下出血、頭蓋内出血)
・甲状腺機能低下症
・急性膵炎
薬剤
・抗不整脈薬(アミオダロン、キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、べプリジル、ソタロール、ニフェカラントなど)
・抗精神病薬(クロルプロマジン、ハロペリドール、フェノチアジンなど)
・三環系抗うつ薬(イミプラミン、アミトリプチリンなど)
・抗生剤(クラリスロマイシン、エリスロマイシン、スバルフロキサシン、ペンタミジンなど
・抗アレルギー薬(アステミゾール、テルフェナジンなど)
・抗がん剤(ドキソルビシン、亜ヒ酸など)
・高脂血症薬(プロプコールなど)
病態や薬剤などこんなにQT延長の誘発となるものがあるのですね。
うちの病棟は上記抗生剤や抗不整脈であるアミオダロンをよく使います。そのため薬剤によるQT延長症候群が出ていないか観察する必要があったのです(__)
ではQT延長があるとどうなるのでしょうか?
2.QT延長の怖いこと(症状)
QT延長症候群の症状
・動悸 ・失神
・心室頻拍VT(Torsades de Pointes:TdP)トルサード・ド・ポアンツ
→VFに移行と致死性不整脈誘発
そうなんです。致死性不整脈を誘発してしまうのです。
そんなリスクがあったなんて知らずに患者さんに関わっていた自分が恐ろしすぎます。
またQTが短縮すればいいという訳でもありません。
②QT短縮について
QTが短縮していることを「QT短縮症候群」と呼びます。
心筋細胞の電気的な回復(脱分極・再分極)が必要以上に短縮している状態です。
1.QT短縮(0.35秒未満)で考えられる要因
・電解質異常(高K血症、高Ca血症)
・発熱
・アシドーシス
・カテコラミン系投与
・心筋虚血
・ジギタリス効果
2.QT短縮の怖いこと(症状)
QT短縮となると電気信号が不安定に送られてしまうため正常な心臓が行えなくなってしまいます。よって
VT,VFといった致死性不整脈の誘発となります。
勉強しながら思ったこと
私たちは患者の命綱を握っている仕事なんだなと再認識しました
また、それが少し重たいなとも内心感じました(誰にも言えませんが)
明日も日勤です☀頑張ります
今日も1日お疲れ様でした★