抗不整脈薬
申し送り者「○○さんの不整脈に対してアンカロン(アミオダロン)開始しました」
くず看護師「分かりました」
(アンカロンってなんだっけ。不整脈に対して使う薬っぽいな。あれ?でも別の患者さんの時、不整脈予防でジルチアゼムだったよね。抗不整脈薬ってたくさん種類あるの?何が違うの?どういう機序なの?訳わかんないー!!)
申し送り者「くずさん大丈夫?パニックになっている?」
くず看護師「・・・勉強します」
ということで今回は抗不整脈薬について。
まずはアミオダロンについて調べてみました
------------------------------------
アミオダロンとは
アミオダロンはKチャネル遮断薬と呼ばれる種類の薬になります。
-----------------------------------
くず看護師「Kチャンネル遮断薬?」(正:Kチャネル遮断薬)
「チャネルとかよくわからん。まずはそこから調べてみるか・・・」
心臓の刺激伝導 イオンチャネル ~抗不整脈薬理解の為~
1.心臓の電気の流れ
心臓がリズミカルに拍動するために、心臓には電気信号を発生し、心筋が収縮するように指令(興奮 電気信号)を出す伝導回路があります。
その指令を出す中心が洞結節です。
洞結節が約60~80回/分の間隔で心筋に指令を出しています。
洞結節が出した電気信号(興奮)は刺激伝導系と呼ばれる心臓内に張り巡らされた電気の通り道を通ります。
①洞結節から心房を通過し心房筋肉を収縮させる
②電気刺激は心臓中心部の同室結節に伝えられる
③ヒス束→左右脚→プルキンエ線維の順で心室に電気信号が伝わり、心室筋肉を収縮する
2.興奮伝導の仕組み
心筋細胞の興奮は、イオンチャネル( イオンチャネル - Wikipedia )を通じて細胞内に陽イオン(+プラス)が流れ細胞膜電位が上昇することでおこります。
電気的興奮が起きていない状態は静止膜電位といい細胞内は「-(マイナス)」細胞外は「+(プラス)」の状態です。
電気的興奮が起こると興奮はイオンチャネルを通じて細胞膜電位を上昇させ細胞内を「+プラス」に細胞外を「-マイナス」にさせようとします。
細胞内が「+プラス」になり細胞膜電位が上昇した状態を脱分極といいます。
興奮後には再びもとの状態に戻ろうと膜電位の低下がおこります。
これを再分極といいます。
この一連の活動によって心筋収縮がおこる仕組みとなっています。
チャネルとは電解質の出入りをさせる窓・扉のようなものなのね
3.活動電位とイオンチャネル
上記の活動電位は3種類のイオンによって起こります。
使われる3種類のイオンとは
1 ナトリウム(Na⁺)
2 カルシウム(Ca²⁺)
3 カリウム(K⁺)
「電解質異常が不整脈をきたす」と言われている理由がなんとなく分かりますね
この3種類のイオンがどんな動きをして脱分極~静止膜電位が起こるのでしょうか。
脱分極から静止膜電位は0相~第4相といった段階に分けることができます
■0相 : 急性脱分極期
Na⁺チャネルが開きNa⁺が急速に細胞内に入ってくる
■第1相 : 早期急速再分極
Na⁺チャネルが閉じる
一過性にK⁺が細胞外に流出しわずかな再分極がおきる
■第2相 : プラトー
Ca²⁺チャネルが開きCa²⁺が細胞内に入る
このCa²⁺とK⁺流出のバランスによって一定の電位を維持する
■第3相 : 最終急速再分極
Ca²⁺チャネルが閉じる
K⁺が細胞外に流出し再分極がおきる
■第4相 : 静止期
Na⁺-K⁺ポンプという電解質を入れ替えるポンプ作用、チャネルなどを使ってのNa⁺とCa²⁺の交換作用が行われ、細胞内外のイオン環境が元に戻る
図にするとこんな感じですね!
心筋細胞と電気現象|心臓とはなんだろう(2)|看護roo![カンゴルー]
さすが看護roo!さん 分かりやすい…
今回は
心臓の動きは電気的興奮により起こっている事
電気的興奮にはNa⁺、K⁺、Ca²⁺の3つの電解質が使われている事
が分かりました。
ではいったん休憩して次回、抗不整脈薬がこの活動電位にどう作用しているのかを調べていきたいと思います。
今日も1日お疲れさまでした★
私は日勤に備えておやすみなさい<(_ _)>